セメントの種類と特徴|用途に合わせた選び方

こんにちは。森脇工業のブログへようこそ!
今回は「セメントの種類」について、現場でよく使うものを中心にご紹介します。

土間工事といえば、セメントを使ったコンクリートが欠かせません。
しかし一口に「セメント」といっても、その種類や特徴、使いどころはさまざま。
間違ったセメントを選んでしまうと、強度不足やひび割れなどのトラブルにもつながります。

この記事では、代表的なセメントの種類と、それぞれの用途・特徴をわかりやすく解説していきます。


■ 1. 普通ポルトランドセメント(OPC)

まず最も一般的なのがこの「普通ポルトランドセメント」。
ホームセンターなどでもよく見かけるタイプで、住宅の基礎や駐車場の土間など、多くの土間工事に使用されます。

  • 特徴:強度が安定しており、コストも安価

  • 用途:一般建築、土間コン、擁壁、モルタルなど

  • 注意点:寒冷地では凍害に注意。硬化速度は標準的です

日常的な施工なら、これを選んでおけばまず間違いありません。


■ 2. 早強ポルトランドセメント(早強セメント)

こちらは「早く強くなる」セメント。
施工後の養生期間を短縮できるため、工期を急ぐ現場では重宝されます。

  • 特徴:普通セメントよりも早く高強度に達する

  • 用途:寒い季節の施工、短期間で仕上げる現場、緊急補修など

  • 注意点:コストはやや高め。気温が高すぎると水和熱が大きくなりすぎる場合も

朝打設して夕方に型枠を外したい現場などには最適です。


■ 3. 高炉セメント(B種・BB種)

高炉セメントは、鉄を作る過程で出る「高炉スラグ」を混ぜたセメント。
コンクリートの持ちが良く、塩害や化学的な劣化にも強いため、耐久性を求める場面で使われます。

  • 特徴:長期的な強度に優れ、化学抵抗性が高い

  • 用途:海沿いの構造物、地下構造、工場床など

  • 注意点:早期強度はやや劣るため、じっくりと養生が必要

塩害が気になる場所や、長寿命を重視した施工では非常に効果的です。


■ 4. 白セメント(ホワイトセメント)

見た目が美しい「白色のセメント」です。デザイン性を重視した外構や、打ちっぱなしの壁などに使用されます。

  • 特徴:白く仕上がり、色付き骨材との相性が良い

  • 用途:舗装材、インテリアモルタル、装飾ブロックなど

  • 注意点:コストが高く、仕上がりにムラが出やすいので注意が必要

左官仕上げやデザイン土間には欠かせない存在です。


■ 5. 超速硬セメント

硬化が非常に早く、緊急補修や短時間施工向けに使われます。
水を加えてから数分で硬化が始まるため、手早い作業が求められます。

  • 特徴:数時間で実用強度に達する

  • 用途:緊急補修、交通開放が早い現場、工場ライン補修など

  • 注意点:作業時間が極端に短く、扱いには慣れが必要

夜間の道路補修や、設備の緊急停止を避けたい現場に向いています。


■ セメントの選び方まとめ

種類特徴主な用途
普通セメント標準的で使いやすい一般土間、住宅、基礎など
早強セメント早く強くなる冬場、短工期の現場、早期型枠解体
高炉セメント耐久性・化学抵抗に優れる海沿い、工場床、地下構造など
白セメント見た目が美しいデザイン土間、左官仕上げなど
超速硬セメント数時間で硬化緊急補修、交通開放が必要な現場